2012年1月15日 (日)

『激マン!』第5巻

 今年初の更新になります。本年もマイペースで更新していきますので、よろしくお付き合いをお願いいたします。

 さて、今回は最近読んだ漫画から『激マン!』第5巻(日本文芸社)の感想です。

 本作は「漫画ゴラク」連載中で、永井豪の分身ともいうべき漫画家「ながい激」主人公にした自伝的セミフィクションです。 永井先生には御自身をパロディ化した「思い出のK君」や「氷壁の母」等の傑作短編がありましたし、永井ワールドそのものをパロディ化した上で、シリアスな大長編に仕上げた「バイオレンスジャック」もありました。本作はそうしたセルフパロディの集大成になりそうです。

 物語は『デビルマン』最終章の執筆時にさしかかりました。すでに前巻から、飛鳥了が作者の構想を越えて暴走し始め、作者をして「こいつは何者なんだ」と言わしめています。そして、作者も知らなかった飛鳥了の意外な正体(『デビルマン』連載時は本気で驚きました)が劇的に描かれています。

 永井先生自身が日本の将来への警告として『デビルマン』を描いていたというくだりは、現代から振り返った後付けがかなり入っていると思いますし、先生が飛鳥了の正体に思い当たるのが、「事件の展開に疑問を持った了が再び実家へ向かうシーン」を描いているときだったというのは「いくら何でも^^;」と思います。

 とは言え、先付けであれ後付けであれ『デビルマン』に託された永井先生の主張には共感できる部分が多々あります。また、了の正体に永井先生が頭を悩ませる展開は、連載当時の了の秘密が明らかになっていく過程を追体験させるもので、結末を知っていてもぞくぞくしました。

 そして何よりも、「雷沼教授の勘違いに煽られた世界各国の混乱」「デビルマン軍団の活躍」など、当時諸事情から割愛されたシーンが当時よりグレードアップした作画で読めるのは、嬉しいものです。(前巻での『デビルマンとデーモン軍団との東京決戦』も)
 こうしたベテラン作家が現在の技術で若い頃の作品をリテイクしつつメイキングを語るという展開は、和田慎二先生が『怪盗アマリリス』の劇中劇で、『超少女明日香』第1作のメイキングを語りつつをリテイクしたときと似た展開ですが、本作はその路線をさらに本格的に追求しています。

 最終戦争の舞台裏が描かれる次巻に期待です。

追記:『デビルマン』ラストの構想で作者の相談役になっているスタッフの菊池氏は、ネット検索したところ後年永井作品のノベライズなどで活躍する団龍彦氏がモデルとのことです。しかし、『激マン』では彼のキャラクターが妙に浮いている印象を感じます。ひょっとしたら、永井先生お得意の、「実録と思って読んでいたら実は…」という展開につながる人物なのではないでしょうか?

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2011年11月 9日 (水)

最強探偵・大貫警部

Ohnuki_2「四字熟語殺人事件ベスト・セレクション」赤川次郎/講談社文庫

 別名大貫警部シリーズとも呼ばれる四字熟語殺人事件シリーズのベストセレクションが出ました。
 不潔で自己中心主義で怠け者で大食漢の迷惑警部が、その八方破れな捜査で結果的に事件を解決してしまう30年長期シリーズの傑作選です。

 このシリーズの犯人(または犯人に道を誤らせた悪役)は、多くの場合強欲だったり権威を笠に着るタイプだったりでまったく好感が持てないケースがほとんどです。そんな悪人たちを、気分と食欲と私憤で行動する大貫警部が、「毒には毒を」式に粉砕してしまうカタルシスが、シリーズの肝です。

 シリーズ初期は、物語が大貫の部下・井上刑事の視点で語られて、大貫の迷惑ぶりが強調されていたのですが、シリーズ2冊目の「起承転結殺人事件」で、井上の恋人・向井直子が登場し、彼女が大貫の暴走を上手くコントロールすることで物語の雰囲気が安定し、以後30年近い長期シリーズとして継続中です。(なお、直子の登場以後、大貫によるストレスは上司の箱崎警視が引き受け続けています^^;)

 さて、ベストセレクションの本書は直子のデビュー作「起承転結殺人事件」、誰からも慕われる善良な男が殺される「人畜無害殺人事件」、アイドルタレントがドッキリ番組で大貫を引っかけたために殺人事件が発生する「公私混同殺人事件」、人前に姿を見せない謎の作家の仕事場で編集者が奇怪な死を遂げる「流行作家殺人事件」の4本です。

 いずれも大貫のパワフルさが痛快で、ミステリとしても楽しめます。長期シリーズゆえの懐かしさも感じられてお得な内容です。しかし、長年のファンから見ると収録作の選定基準がちょっと微妙でもあります。初期の傑作「東西南北殺人事件」「一触即発殺人事件」などは入れて欲しかったところです。

 解説に記されたシリーズ七つの謎(大貫のフルネーム、登場しない妻の存在、多くの部下がいるはずの中でいつもこき使われる井上刑事etc.)は、ファンには周知のこととは言え、まとめてみると興味深いものがあります。 まだ大貫警部になじみのない方は、入門編として本書をお薦めします。

 しかし、表紙の大貫警部、いつもの浅賀行雄氏の不気味でユーモラスな顔に比べて、格好良すぎです(^^;


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2011年7月12日 (火)

今更ながら『JIN-仁-』

Kandagawa_3 原作漫画もドラマも共に大ブレークし、周囲からも「読んでみぃ」「見てみぃ」攻勢が多々あった『JIN-仁-』ですが、この春からようやくチェックし、ドラマにもしっかりと最終回まで付き合いました。

「現代の脳外科医がタイムスリップで幕末に放り込まれる」というSFファン泣かせの発想の元、主人公とヒロインを主軸にしつつ歴史群像劇としての魅力も発揮した原作漫画。そして、手堅いキャストを揃えながら、そのネームバリューに頼ることなく、テレビドラマの基本に立ち返ったようなテレビ版。いずれも魅力的でしたが、その魅力はあちこちで語られているので、2点だけ書いておきます。

 

 

Kaidan_2 まず、現代人がタイムスリップで過去の歴史に生きることになるというSF的発想が、非SFファンをターゲットとして取り込んでブレイクしたことに驚きました。
 現実的な設定の中にあり得ない“IF”を放り込んで、現実とはひと味違ったドラマを生み出すのはSFの基本です。また、「時を越える故に生じる恋の美しさと悲しさ」は、『チャリティからのメッセージ』(ウイリアム・M・リー 創元推理文庫『時の娘』収録)や『時尼に関する覚え書』(梶尾真治 ハヤカワ文庫JA『亜へ贈る真珠』収録)などでSFファンにはおなじみでした。しかし、以前はSFファンの寡占物だった「時空SFロマン」が、SFであることをほとんど意識されることなく社会的ヒット作となったことは、かつてSF界で語られていた“SFの浸透と拡散”の一つの到達を見るようで、感慨深いものがあります。

 思えば、何年か前から通常のドラマの中にSF的なセンス・オブ・ワンダーが取り込まれ、その一方で『ウルトラマン』や『仮面ライダー』が長寿番組の宿命で“驚き”を失っていくという逆転現象が気になっていました。そして、『JIN-仁-』の人気の核になった部分は、明らかにSFでなければ描けないセンス・オブ・ワンダーそのものでした。

 付け加えると、ドラマの中で描かれた料理やお菓子が、ドラマとのタイアップによってコンビニで売られているという光景は、少し前の時代から見ればSF的現象以外の何物でもありません。その意味でも、本作はまぎれもないSFドラマでした。

 

 

Motomachi_3 さて、もう一点記しておきます。

 この作品は、原作もドラマも江戸時代を描き、江戸の人間になっていく主人公を描きながら、それをノスタルジアに終わらせず僕たちが生きる現代社会の素晴らしさもきっちりと描いていました。

 この物語は、確かに江戸時代の人々の素朴さや精神的豊かさを謳っていました。しかし、その一方で、主人公が持ち込んだ現代医学や人道的精神が人々を救う様を通して、現代が江戸時代から確実に進歩した時代であること、その進歩は多くの努力と犠牲の上に成り立っていたこともはっきりと主張し、過去の賛美に終わらないテーマを訴えかけていたのです。

 その主張は、原作での坂本龍馬が語った「百数十年後の世では、身分の差がなくて、誰でも努力次第でやりたいことができ、行きたいところへ行けるそんな国は極楽としか言いようがないぜよ」台詞に象徴されています。

 現代の日本社会は、様々な問題を抱えてはいますが、それでも歴史上の様々な時代と比べてみれば、もっとも恵まれた時代であることは論を待ちません。「個人の権利の尊重」「身分や性別による差別の激減」「凶悪犯罪の稀少化」等々は世界に誇って良いレベルです。上記の台詞を読んで、たまにはこの時代の良さを噛みしめ、それを築いた人々に思いを馳せ、次世代への責任について考えてみるのも悪くないと思いました。(まあ、四六時中天下国家について考えていても、疲れるだけですが)

 原作もドラマも終了しましたが、実はドラマ第1作をまだ見ていません。もうしばらく、この物語に新鮮な気分で付き合ってみたいと思います。

※写真は上から順に、「ドラマのタイトルにも使われた聖橋から見下ろす神田川」「物語の始まりとなった順天堂医院の非常階段」「最終回で仁が“手紙”を読んでいた元町公園の階段下」です。(2011年7月9日撮影)

※思いつくままに打ったので、文章がかなりおかしくなっていました。少し改稿しました。(2011年7月13日)

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2011年6月21日 (火)

宇宙戦艦ヤマトの「敗北」

Yamatooazo 久々の更新になります。

 mixiの宇宙戦艦ヤマトコミュニティで「どうやってヤマトを撃沈しますか」(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=63087207&comment_count=94&comm_id=21794)というトピックが立てられています。

 「あなたなら無敵の宇宙戦艦ヤマトをどうやって撃沈しますか」というのが主旨で、軽いジョークから劇中設定に基づいた戦術まで様々なコメントが書き込まれています。(矢的のアイデアは“真田技師長の暗殺”^^;)

 しかし、自分が少し引っかかったのは「ヤマトは無敵だっただろうか?」という点です。

 シリーズを振り返ってみると、ヤマトが奮戦むなしく敗れたり、本来は負けていたところを別の要因で救われていた例がかなりあったはずです。

 何を持って「負けた」とするかは議論の余地がありますが、ここでは以下のポイントに絞って、ヤマトが敗北したとみなされる戦いを並べてみます。

  1. 戦闘には敗れたが、ヤマト乗組員以外の人物(敵を含む)や幸運によって救われた。
  2. 戦闘には勝ったが、作戦目的を果たせなかった。
  3. 戦闘以外の要因で危機を脱しただけで、本来は負けていた。

 なお、戦闘・作戦名の後の( )内は、該当するシリーズ名です。

 まず1に該当するのは以下の戦いです。

  • 異次元空間でのドメル艦隊との遭遇(1)-スターシャの誘導が無ければサルガッソースペースからの脱出は不可能でした。
  • 七色星団の戦い(1)-これは断定はできませんが、ドメルの自爆はわざわざカウントダウンを行い、機関部での爆発を避けたことから、ドメル自身がヤマトへのとどめを避けた可能性が高いと思います。
  • ガミラス残存艦隊との決戦(2)-古代にデスラーを射殺する力が残っていなかった時点で完敗。デスラーが終戦を決めたことで救われています。
  • 超巨大戦艦との決戦(2)-都市帝国の中の切り札を見抜けなかったのはヤマトの限界です。テレサの犠牲がなければ、敗北か相打ちは確実でした。
  • ガルマンウルフ艦隊との戦い(III)-ヤマトが移動要塞内に捕らえられたところでゲームオーバー。ヤマトとの戦闘を承知していなかったデスラーの好意で救われています。
  • ルガール・ド・ザールとの初戦(完結編)-ハイパー放射ミサイルの奇襲で乗員全員がダウン。偶然に自動操縦装置が働いて脱出できたのは奇跡です。

 次に2に該当するのは以下の戦いです。

  • デスタール艦隊との戦い(2)-捕虜にした戦闘機パイロット・メーザーを懐柔し、敵の情報を引き出す作戦でしたが、結局本人を自決へと追い込んで失敗しました。メーザーの母国への忠誠心を過小評価したのは、明らかに古代のミスです。
  • 自動惑星ゴルバとの決戦(新たなる旅立ち)-これは1にも該当しますが、ヤマトの戦力ではゴルバに歯が立たず、スターシャの自爆が事態を決しました。作戦目的はスターシャの救出でしたから、完敗です。
  • 移住惑星の探索(III)-これも1との重複になりますが、ヤマトは最後まで可従惑星を発見できず、星間戦争に本格的に巻き込まれるきっかけも作ってしまいました。シャルバート星からの援助がなければ、人類は滅亡しています。
  • 都市衛星ウルクでの戦い(完結編)-島をはじめ多くの乗組員を犠牲にしながら、水惑星アクエリアスのワープ阻止はできませんでした。これも完敗です。

 そして、3に当てはまるのは次の戦いです。

  • バラン星の戦い(1)-人工太陽をヤマトにぶつけるドメルの作戦は完全に成功していましたが、デスラーからの中止命令でタイミングが狂い失敗しました。
  • 竹輪型空洞惑星の罠(2)-今度はデスラーが完全にヤマトを捕らえた段階で、彗星帝国から中止指令が出てタイミングが狂い失敗しました。
  • ディンギル残存艦隊との決戦(完結編)-地球を水没から救うため自爆用のトリチウムを満載した状態で、敵残存艦隊に包囲されました。デスラーの来援で難を逃れましたが、自力での脱出は不可能な状態でした。

 

 以上、こうして見るとヤマトは連戦連勝の不沈艦ではなく、フィクションの宿命として「主役故の強運」に守られた存在だったと言えます。しかし、その事実はヤマトのヒーロー性を否定するものではありません。

 それぞれの幸運を最大限に生かして危機を脱したのは実力のうちとも言えます。

 そして何よりも、歴代の女神たちの加護を集め、デスラーですら^^;味方に引き込んだ、ヤマトクルーの誠意と正義感(あえて“愛”とは言いません)こそが最強の武器であったと思います。

 無敵の戦艦ではなく、負けることがあっても最後まであきらめず、美女や仇敵から愛されることによって、幸運を引き寄せる。そんな宇宙戦艦ヤマトのような生き方は、現実の人生においても一つの理想と思います。

*本稿は、ほとんど記憶に頼って書いております。訂正、突っ込みは歓迎します。

*写真は、2009年に丸善・丸の内OAZO店で開催された「宇宙戦艦ヤマト完全復活展」に合わせて、同ビルのロビーに展示された5mサイズのヤマトです。(プライバシー保護のため、映り込んだ方々の顔を伏せさせていただきました)

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2010年7月 3日 (土)

名曲「ポプラ通りの家」の真実!

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 御存知の方も多いと思いますが、古典SF『キャプテン・フューチャー』シリーズは、原作終了から30年近く経った1978年秋にNHKでアニメ化され、一年間放映されました。
 原作ファンの間では賛否両論ありますが、舞台を銀河系規模にしたことと、一部のキャラクター設定以外は大きな変更はなく、大傑作とまでは行かないものの良心的な佳作だったと思います。また、「あのフューチャーメンが動いてしゃべっている」というだけでも、僕としては歓迎できる作品でした。
 数年前にDVD化の告知があったものの、理由がはっきりしないまま発売中止になり、現在のところ正規の視聴が難しい作品になっていますが、一日も早く日の目を見てほしいものです。

 このアニメ版については不満を持たれる原作ファンも多いようです。しかし、本作の主題歌「夢の船乗り」、副主題歌「ポプラ通りの家」、そして原作中の楽曲を実現させた「おいらは淋しいスペースマン」等は好評のようで、SFファンの宴席ではカラオケの普及前から何度も耳にしました。

 さて、本題です。「ポプラ通りの家」は、“故郷を遠く離れた男が、ポプラ通りの家に住む恋人と過ごした故郷での日々に思いをはせる”という内容なのですが、『キャプテンフューチャー』の物語とはあまりリンクしていません。主人公のカーティスは、人のいない月を故郷として育った特異な過去を持つ男で「故郷への追憶」など持ちようもありません。グラッグとオットーは、人造人間で故郷は月の研究所です。その他のレギュラー陣を見ても、「故郷に恋人を残した青年」は見あたりません。というわけで、この曲は「宇宙を股にかけるスペースマンたちが持つ郷愁を象徴した歌」と解釈するしかないようです。

 しかし、以前あるSFマニアの酒席で、「この歌は誰の歌か?」ということが話題になり、一人だけ対象として検討されていない人物が浮上しました。

「サイモン・ライト…」

「え?」

「サイモン教授って、脳だけになって地球を離れてから二十余年だろ。恋人はおばさんになっているかも知れないけど、ポプラ通りの家にはまだ住んでいるかもよ」

「しかし、サイモン教授って、脳だけになったときに七十歳過ぎだろ」

「いやいや、まだまだ男としては現役だったかも」

「しかし、あの人に若い恋人を作れたかね」

「そこは“教授”だぞ。教え子に手を出したのかも」

「70歳の教授と、15歳の優秀な女子学生との恋か!」

「ん、それなら彼女はまだ40前だから、かろうじて“優しい目の娘”にはなり得る」

「70歳の爺さんが15歳の少女と、月の下をもつれ合って歩いて、明日の夢を語り合って、口づけを交わしたのか!」

「やるねえ!爺ちゃん!」

「さすがは宇宙一の天才科学者」

「ほんと、俺、尊敬しちゃう」

「俺たちも頑張らないとな」

 

※念のため申し上げますが、サイモン教授の恋については、原作版でもアニメ版でもまったく語られておりません。最近、ブログに書いた与太話とそっくりの話を某コンビニ本で見かけたり、個人的見解のつもりで書いた話がWikipediaに書き込まれたりしているので、特にお断りしておきます(苦笑)

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2010年6月14日 (月)

【追悼】池田駿介さん

Allowtwo_2 すでに皆さん報道等で御存知の通り、『帰ってきたウルトラマン』の南隊員、『キカイダー01』のイチローなどでおなじみの池田駿介さんが、11日に胃がんのため亡くなられました。

 時が流れるにつれて人が去っていくのは当たり前なのですが、池田さんとのお別れがこんなに早いとは思いませんでした。

 もう20年以上前になるでしょうか。
 主宰している帰マン私設FCスタビライザーで、南隊員の主演話「ふるさと地球を去る」を特集するにあたり、池田さんのお話をうかがってみたいと思い、インタビューを企画しました。

 幸い、サークルメンバーの一人が池田さんのファンとして連絡を取っていたので、その連絡先にインタビューの主旨と連絡用のテレホンカードを同封して手紙を出してみました。その数日後、池田さん御本人から電話をいただいてとんとん拍子に話が進み、二子玉川の喫茶店で3時間ぐらいのロングインタビューが実現しました。

 お会いした池田さんは、南隊員やイチローや花形一平そのままの誠実で実直な方で、後に商業誌でも語られる貴重なエピソードを数多くうかがうことが出来ました。
 池田さんは、そのインタビューの半年後ぐらいから、ファンイベントに顔を出されるようになり、様々な機会にお会いすることができました。三軒茶屋にあった大判焼屋「ゼロワンチェーン」にも何度もでかけました。
 正直なところ、申し訳ないことに「時候の挨拶を欠かさず」と言えるほどこまめに連絡を差し上げてはいなかったのですが、お会いするごとに「君たちのインタビューがきっかけだった」とお褒めの言葉をいただき、何度も恐縮していました。(実際には、僕ら以前に池田さんにコンタクトしたファンサークルもいくつかあったはずなのですが)

 自分の無精さゆえにしばらく疎遠になってしまい、昨年の秋口に個人的な場で再会することが出来ました。頭を下げて不義理をお詫びしたのですが、「ひさしぶりに会えて良かった」とのお言葉をいただき、再会を約束していただいたのですが、それが最後となってしまいました。

 11日の夜に、池田さんに近い筋の友人からメールで訃報を知らされたのですが、まるで頭を殴られたような衝撃でした。せっかくの面識をいただきながら、「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」という思いが未だにグルグル回っています。特撮ファンとして交流を持てた関係者の方が亡くなられたというのは初めてではありませんが、むしろ理解のあった先輩を亡くしたという気持ちです。

 月並みな言い方ですが、池田さんの残されたお仕事を語り継いでいくこと、そして『帰ってきたウルトラマン』や『キカイダー01』を見て育った僕らが良い大人になることを願ってくれていた池田さんのお気持ちに少しでも応えていくことが、自分に出来る供養と思うしかありません。

 謹んで哀悼の意を表します。


(掲示板、mixi等に同様の文面を出すことをお許しください)

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2010年4月19日 (月)

“ゴジラ”で甦った大学時代の思い出

Gojira
 久々の更新です。

 某所で公開されたゴジラの鳴きまね(絶品)を聴いて、記憶が一つ甦りましたので、ここに記しておきます。

 学生時代、大学生協で学生理事でも何でもない一介の総代(学級委員のようなもの)だった自分は、それでもでかい面をして学内の生協本部に出入りしていました。そして、その縁で、大学生協の全国研修会に二年連続で参加しました。

 様々なジャンルの「全国大会」にありがちで、昼は大ホールでの集会や小グループでの分科会に参加し、夜は宿のグループで全国からの代表同士が語り合うという形のあつまりでした。
 その一年目、名古屋の大ホールで行われた夜の部の交流会では、各地の大学生協関係者が宴会芸を競っていました。その際、早大生協の方がゴジラの鳴き真似で喝采を浴びていました。翌年の水上温泉での研修会では、前年の好評を受けて、この方のワンマンショーのコーナーが設けられていました。
 その、声の上手さ、ポーズの取り方は、当時から特撮ファン活動にはまっていた自分が見ても絶品で、自分以外の人が特撮芸で拍手喝采を浴びていることに嫉妬心に似た感情すら覚えるほどでした。

 その後、僕と同じ宿泊グループにいた早大生協関係者の紹介で、そのゴジラ氏と会ったのですが、こちらも特撮ファン活動をしていることを二言三言話しただけで、その後彼と交流を持つ機会はありませんでした。

 そのゴジラ氏は、小暮さんという方でしたが、「早稲田大学」「ゴジラ」「小暮さん」というキーワードが一つに結びつき、「あーっ!」と盛大に驚いたのは、十年以上も後の話でした。

  *    *    *

 それはさておき、エメリッヒ監督版『GODZILLA』を結構気に入っていて、『ゴジラ FINAL WARS』でのジラの扱いが不快だった自分としては、来年のアメリカ版新作が楽しみだったりします。

(mixi日記を一部改稿)

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2010年1月17日 (日)

柴野拓美先生ご逝去

Uchujin_2
すでにネットの各所で書き込まれています。

同人誌「宇宙塵」を主宰された日本SF界の草分けであり、翻訳家として、SFファンの大先輩として活動されてきた柴野拓美先生が、昨日深宇宙へと旅立たれました。83歳だったとのことです。

30年近く前、SF大会で図々しくサインを求めてきた初参加者(矢的のこと)にニコニコと応じながら、タツノコ作品のSF考証の話題に答えてくださったことを昨日のように思い出します。

その後、何度かお話しする機会がありながら、個人的に会話する機会を逃していました。SFを志す教職員の大先輩としてお話をうかがってみたかったのですが、自身の無精さが悔やまれます。

せめて、ファン活動や作品を通じて柴野先生からいただいた形にならない多くのものを大切にし、ファン活動の後進を大切にする姿勢を見習うことでご恩を返していきたいと思います。

これから深宇宙へ向かい、先に旅立たれた方々との再会を目指す旅の道中がご無事であることを願います。

黙祷。

(mixi日記と同時公開です)

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2009年10月13日 (火)

辻真先ミステリへの思い~データベース計画起動

Kanzen  本当に久々の更新です。

 本業の修羅場が終わり、ようやく一息ついた先日のこと、所用で電車に乗りながら久々に読書の時間を取りました。

 読んだのは、NHKドラマとのタイアップ短編集「探偵Xからの挑戦状」です。これは、複数の推理作家が競作したアンソロジーなのですが、冒頭の辻真先先生による「DMが多すぎる」目当てで買いました。
 この短編は、クイズ仕立てで読者に挑戦したダイイングメッセージテーマの作品で、内容的にもまあまあ面白い出来でした。
 しかし、今回のポイントは辻ミステリ世界の名ワトスン・可能克郎と久々に再会できたことでした。

 昔話になりますが、'90年代には辻ミステリにかなりはまった時期がありました。
 御存知の方も多いと思いますが、辻先生は'60年代から日本のTVアニメ脚本家として活躍され、'80年代後半からは推理作家の方に軸足を移されています。
 この辻ミステリの特色は、各作品の世界が地続きになっていることです。「スナック蟻巣」や「東西大学」「文英社」など作品を越えた共通の舞台が多数存在し、探偵や脇役たちも相互にゲスト出演しています。
 '90年代前半、人生の転機でいろいろ悩み事の多かった時期に、血なまぐさい事件が続発しながらも主人公たちが脳天気で優しい作品世界は結構な癒しになりました。そして、作品間の相互交流を追っていくうちに「薩次&キリコシリーズ」からはじまって、「迷犬ルパン」「ユーカリおばさん」「トラベルライター瓜生夫妻」と読み進み、気がついたら数十冊を読破していました。
 しかし、'97年の「本格・結婚殺人事件」で薩次とキリコが結婚したのを最後に、辻先生はこの“統一・辻ワールド”からやや距離を置くようになり、一本ごとに完結した作品へとシフトしていきました。そのため、僕も辻先生の作品とはここ数年やや疎遠になっていました。

 今日読んだ短編に登場した可能克郎は、辻ミステリで多くの探偵のワトスン役をつとめていた新聞記者で、辻ワールドの顔とも言えるキャラクターです。以前は僕よりやや年長の青年記者だった彼も、僕と同年代(小説世界と現実との微妙な時差のため)でデスクを務める立場になっていましたが、変わらぬ雰囲気で事件に巻き込まれ、田丸編集長や水上刑事、そして妹のキリコとも往年と変わらぬ掛け合いを見せてくれました。
 久々に再会した友人が、ちょっと年を取っていても昔と変わらない会話を交わしてくれたような、何とも嬉しい読後感でした。

 その後、電車を降りた僕は書店に出向き、昨年本格ミステリ大賞を受賞した長編「完全恋愛」と、瓜生夫妻シリーズの近作「宗谷・望郷列車殺人号」を購入しました。
 どうやら、他にやることのいっぱいあるこの時期に、十年近くオフになっていたスイッチが入ってしまったようです。

 他のことの合間ではありますが、かつて“ワープロRUPO95用のデータベースソフト”で挑戦して挫折した「辻真先ミステリワールドのデータベース化」に、再挑戦することにしました。名付けて「辻真先ミステリワールド総合案内所」です。
 進行中の「帰ってきたウルトラマン大百科」と同じくwiki形式で少しずつ加筆していきます。

 課題が多々ある中ではありますが、御存知の通り何かに集中していると、素直に逃避行動に走ってしまう性格ですので、気分転換の一つと言うことで生暖かく見守っていただければ幸いですm(__)m

(mixi日記を改稿)

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2009年2月28日 (土)

【勝手に続報】ルパン三世逮捕

bogusnewsよりhttp://bogusne.ws/article/114593559.html

↑このネットニュースが衝撃的でしたので、【勝手に】続報をお送りいたします。

国際窃盗犯「ルパン三世」逮捕!

 警視庁とICPOの合同特捜班は26日、指名手配中の国際窃盗犯 自Doro_2称・ルパン三世こと ジロキチ・ルパン容疑者(38)を逮捕した。

 ルパン容疑者は、バチカン市国の美術品を奪うために、G7出席中の仲川昭一財政相(当時)を拉致した。そして財政相に変装し、14日午後4時(日本時間15日午前0時)過ぎにバチカン博物館に潜入した。しかし、警報装置の作動により犯行は未遂に終わっている。
 ルパン容疑者は、この犯行の直前に財政相に変装したまま記者会見を行い、その不明瞭なやり取りが報道で大きく取り上げられ、財政相は本人不在のまま辞任に追い込まれている。

 合同特捜班の銭形幸一警部(47)は、仲川財政相の一連の奇行からルパン容疑者の変装を見抜き、内偵を進めていた。そして、本日午後に仲川氏に変装したままのルパン容疑者を東京都内で逮捕した。

 今後、合同特捜班 では本物の仲川氏の救出に全力を挙げると共に、ルパン容疑者の数々の余罪を追及していく構えである。また、政府筋では偽物の奇行のために辞任に追い込まれてしまった仲川氏の財政相職復帰と名誉回復に向けて、具体策の検討に入っている。

 なお、逮捕の一部始終を目撃した市民の証言によれば、仲川氏の姿のまま連行されていくルパン容疑者は、終始

「俺はルパンじゃな~い!」

と大声を上げていたとのことである。

(この記事はパラレルワールドから発信されたものであり、実在の人物や既存のキャラクターとは関係ありません)

(mixi日記を改稿・転載)

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